性的DVは嫌がるのに強要する行為や中絶・避妊の強要などを指します。驚くことに、夫婦間でも存在するのです。
しかし、日本では性的DVの認識が薄く、明確な暴行や脅迫がないために立件が難しい現状があります。
この記事では、日常生活に潜む性的DVの問題について詳しく探っていきます。
性犯罪の増加に歯止めをかけるためにも、今こそ性的DVについて真剣に考える時です。
性的DVは日常的に発生してても、隠れて非常に見えにくい暴力です!
① 性的DVの実態 – 目には見えない恐怖の闇 –
性的DVは、嫌がっているのに性的行為を強要したり、避妊に協力しないなどの行為です。
夫婦間でも起こり得る重大な問題であり、暴力や脅迫がなくても存在します。
② 日本社会の認識の課題 – 性的DVが見過ごされる理由 –
日本では性的暴力に対する認識が薄く、夫婦間での性的暴力の深刻さが理解されていません。
③ 国際的な動きと課題への取り組み – 日本の現状と他国の事例 –
国際的には性的DVに対する法的な取組が進んでおり、イスタンブール条約などが性的暴力の定義や罰則を明確にしています。
日本でもDV防止法の改正や保護命令の対象拡大が進んでいます。
性的DVって、どんなことを指すの?
夫婦間の性交でも、犯罪になりうる!
性的DVの代表的な内容として以下の点が挙げられます。
- 嫌がっているのに性的行為を強要する
- 中絶を強要する
- 避妊に協力しない
これらは、もちろん夫婦間であっても暴力に該当するため、刑法第177条の強制性交等罪に当たる場合があります!
(夫婦だからといって、暴行・脅迫を用いた性交が許されるわけではありません!!)
どれくらいの夫婦で性的DVが発生しているの?
内閣府が2021年に発表した「男女間における暴力に関する調査」に、夫婦間に潜んでいる性的DVについてあるデータが発表されました。
これまでに結婚したことがある女性1,400人に、配偶者から暴力の被害経験の有無について尋ねたところ、次のような結果でした。
- 身体的暴行:17.0%
- 心理的攻撃:14.6%
- 経済的圧迫:8.6%
- 性的強要:8.6%
つまり、12人に1人の割合(8.6%)が性的DVを受けている現実があるのです!
性的DVの具体的な内容とは?
具体例として、性的DVの行為の一部を以下に記載します。
性的DVに該当する行為リスト
- 相手が寝ているときに性行為を始める
- 性行為を無理強いする
- 性行為のときに痛めつけたり侮辱する
- 性行為に応じないと冷たくしたり不機嫌になる
- 嫌がる(見たくない)のにポルノビデオやポルノ雑誌を見せる
- 避妊に協力しない
- 性行為に応じないと浮気すると脅す
- 中絶を強要する
これらの事例は性的DVの一部であり、被害者の意思や権利を無視する行為として深刻な問題とされています。
DV事例●●%で性的DVが発生している!
異常な考え方から抜け出せない恐怖
DV相談に来るケースのおよそ9割に、何らかの性的DVがあると言われています。
特に、日本では、
- 夫婦間でも、お互いの合意のない性行為は性暴力に当たるという認識が薄い
- 夫婦間に性的暴力が存在することとその深刻さが理解されていない
という夫も妻も『妻は夫の要求に応えるのが当たり前』『夫婦だからしかたない』という考えがあることが問題を表面化しづらくしていると考えられています。
性的DVから身を守るためには?
性的DVから身を守るためには以下のような対策を取ることが重要です!
① 正しい理解と、専門家からの助言を受けること
性的DVについての知識を身につけ、自身の権利や適切な関係を理解することが重要です。
関連する資料や情報源を調査し、専門家や支援団体から助言を受けることも有益です。
② パートナーとの明確な同意を得ること
パートナーとのコミュニケーションを大切にし、互いの希望や境界を尊重する関係を築くことが重要です。
性交や性的な行為について、明確な同意を得ることが必要です。
③ 相談!そして、支援を求めること
性的DVに直面した場合、一人で抱え込まずに支援を求めることが重要です。
家族や友人、専門家、支援団体など、信頼できる人々に相談し、適切な支援を受けることが大切です。
これらの対策は必ずしも完全な解決策ではありませんが、個々の状況に応じて、適切な対策を選択し、自身の安全と福祉を守ることが重要です。
性的DVから身を守り、パートナーと健康で安全な関係を築くためにも、少しでも疑問に思うことがあれば、DV相談窓口へ問い合わせをしてみてください。
まとめ
性的DVの代表的な特徴は、
- 嫌がっているのに性的行為を強要する
- 中絶を強要する
- 避妊に協力しない
などが挙げられ、夫婦の12人に1人は、性的DVを受けているという事実があります。
日本では性的DVの認識が薄く、夫婦間の性的暴力は明確な暴行や脅迫がないために立件されにくい現状があるため、性的DVに対する社会の理解を深める必要があります!
さらに…
DVなど婚姻関係が破綻している場合は、母体保護法に基づいて配偶者の同意を得ずに、人工妊娠中絶ができる!ので、婚姻関係があったとしても相手との望まない妊娠が発生したら、産科の医師に相談してください。
引用文献(2023年6月1日時点)
① NHK WEB特集
引用元:NHK WEB特集のウェブサイト(参照URL:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220121/k10013434831000.html)
② BUSINESS INSIDER
引用元:BUSINESS INSIDERのウェブサイト(参照URL:https://www.businessinsider.jp/post-229686)
ご参考までに、上記の引用文献は2023年6月1日時点での情報です。
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