精神的DVは目に見えません!でも、その傷跡は深く、被害者の心に生涯かけて残ります。精神的DVは、言葉や行動を通じて繰り広げられ、被害者の自尊心や精神的な健康を侵害します。
この記事では、精神的DVに対する対策やサポート方法についても探っていきます。
知識が全くない方、今すぐ知りたい方は、ぜひ最後までお読みください!
精神的DVは言葉や態度による攻撃!被害者には目に見えないダメージを与えます!
① 精神的DVは身体的な暴力だけでなく、言葉や態度による攻撃も含まれる
DVと聞くと、多くの方は「身体にアザができるほど殴られた」「髪の毛が抜けるほど引っ張られた」など、身体的な暴力を意味する、身体的DVを連想しやすいと思います。一方で、精神的DVは、言葉や態度で被害者の精神面に攻撃を加えることを指します。
② 精神的DVは被害者にとって目に見えないため気付きにくい
精神的DVは、被害が目に見えないため、周りの人だけでなく被害者にとっても気付かれにくいDVです。言葉や態度の攻撃が繰り返し行われて、精神面へのダメージが蓄積されていきます。
③ 精神的DVは立派な犯罪であり、違和感を感じたら相談することが重要
精神的DVも立派な犯罪です。目に見えないからこそ証明することも難しい精神的DVだからこそ、違和感を感じたらすぐに信頼できる人や相談機関に相談してください。
精神的DVは、具体的にどんなことのことを指すの?
具体例として、精神的DVの行為の一部を以下に記載します。
精神的暴力に該当する行為リスト
- 行動の監視・制限をする
- 長時間にわたる無視
- お金(生活費)を渡さない
- 大きな声で怒鳴る
- 「実家を燃やす」などと脅す
- 交友関係(友達や両親に連絡を取ることや会うこと)を制限し、否定する
- 命令口調
- 私物を勝手に捨てる
- 勤務先を否定する
- 殴る振りで威嚇する、
- 長時間にわたる説教をする
- 「バカ」「お前が悪い」など人格を否定するような言葉を吐く
- 子供や親を引き合いに出して脅迫する
- SNS上で誹謗中傷をする
これらは精神的DVの具体的な行為の一部です。
精神に対する暴力は被害者の心に対する苦痛や傷害をもたらし、継続的に行われることが特徴です。
モラハラとの違いは?
精神的DVと似た意味の言葉で「モラルハラスメント」という言葉もあります。 モラハラとは、家庭や職場での陰湿な嫌がらせのことを指し、「精神的DV」は「モラルハラスメント」の一部です。精神的DVに悩む方は女性だけでなく、男性側が被害に合うことも珍しくありません。
精神的DVはどのような犯罪になるの?
精神的DVであっても、被害者やその親族に害悪を及ぼすことを告知すれば、刑法上の脅迫罪(222条)や強要罪(223条)となり、被害者がPTSD(心的外傷後ストレス障害post traumatic stress disorder※)となってしまうなどの健康を害する状態となれば、傷害罪となる場合もあります。
また、精神的DVを受けていることに気付いても、トラウマティック・ボンディングによって離れたくても離れられない状態になっていることもあります。 トラウマティック・ボンディングとは、DV被害を受けている時は恐怖や緊張状態に陥るものの、「相手には自分しかいない」「優しい部分もある」と考えて離れることができない特殊な精神状態のことを指します。精神的DVは犯罪にも発展し得るため、いち早くトラウマティック・ボンディングの状態から抜け出すことも重要です。
精神的DVの対処方法とは?
精神的DVかもしれないと思ったら、「証拠を残すこと」や「相談機関への相談」が重要です!前述した通り、精神的DVは目に見えないため、証拠を残すことが重要になるため、
- 加害者の言動を録音・録画する
- 脅迫や粗暴な内容が記載されたメールやLINEをスクリーンショット撮影する
- 具体的な加害行為で被害を受けたかを、日記やメモとして記録する
- 病院へ行き診断書をとる
などを行ってください。
しかし、加害者側によってスマホがチェックされることが日常的に行われているケースも多いため、加害者が証拠を隠蔽することや、証拠を残そうとしたことでさらに加害者にバレることで被害がさらに増えることが予想されて証拠を残しにくい場合もあります。その場合は、もう一台のスマートフォンなどを用意して、隠しカメラとして利用することで証拠を残しましょう。
自分の身を守ることが何よりも第一優先ですので、証拠を残すことが少しでもリスクがあると感じる場合は、「相談機関」や「警察」に相談することで、適切な支援を受けてください。
精神的DVを受けた家族や友人を守るためには?
被害者・加害者ではない第三者としてDVの状況を目の当たりにした場合、まず理解しておきたいことは、以下のような被害者および加害者の特徴を把握しておくべきだと考えます。
被害者の特徴を把握する
- 被害者本人が「証拠を残す」「専門機関へ相談する」ことが、精神的に苦しんでいる状況であるため困難な場合がある
- 被害者は、加害者からの否定的な言葉や行動により自己評価が低下し、自信を失っている傾向がある
- 加害者によって交友関係や家族との関係が制限・否定されたりすることで、被害者は社会的な孤立感を抱くことがある
- 被害者であることに本人が気づけていないため、支援をしようとしても拒まれることがある
- 精神面に深い傷跡が生まれ、不安感、恐怖、抑うつなどの心理的苦痛を引き起こすことがあるため、支援をしようとしても拒まれることがある
加害者側の特徴を把握する
- 加害者は支配的で制御欲が強く、被害者を自分の意のままにしようとする
- 加害者は自己中心的であり、自己満足のために他人を傷つけることに無自覚または冷酷である
- 加害者は言葉や行動を通じて被害者を攻撃し、侮辱し、恐怖や不安を引き起こす
- 加害者は被害者を支配するために強制的な手段や脅迫を使用し、自己の欲望や支配欲を満たそうとする
- 加害者は自身の行動に責任を持たず、自己正当化する傾向があり、被害者を悪者にして自己の罪悪感を軽減しようとする
- 加害者は社会的なマスクをかぶり、外部に向けては魅力的な外見や魅力を装う傾向にある
- 加害者は外部の人々からは信頼され、支持される一方で、被害者に対しては異なる顔を見せることがある
支援する側も相談窓口へ
実際に被害者としての経験や、加害者側の行動パターンなども含めて上記の特徴を挙げました。支援する家族や、知人の立場では、被害者と加害者の特徴を踏まえ、一刻も早く専門機関への相談や、警察への相談・通報につなげていくことが重要であると考えます。
もちろん支援すること自体も専門家ではない、家族や知人の方も、専門機関への相談は有効です。「どうやって支援をするべきなのか」と悩んだら、DV相談窓口へ連絡してみてください。
まとめ
- 【言葉や態度による攻撃】言葉や態度を通じて被害者の精神面に攻撃を加える!
- 【目に見えないダメージ】被害者には目に見えない傷跡が残り、心に深い影響を与える!
- 【気付きにくい】精神的DVは被害が目に見えず、被害者自身も気付きにくい場合がある!
精神的DVは、被害者の健康や自尊心に重大な影響を与える可能性があるため、「もしかして、私は精神的DVなのかな?」と思ったら、早めに専門機関へご相談ください。
引用文献(2023年5月30日時点)
① 離婚弁護士マップ
引用元:離婚弁護士マップのウェブサイト(参照URL:https://askpro.co.jp/ricon/330.html)
② LEGAL MALL
引用元:LEGAL MALLのウェブサイト(参照URL:https://best-legal.jp/husband-morahara-7293/)
ご参考までに、上記の引用文献は2023年5月30日時点での情報です。
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